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本のからくり人形 その2
日本のからくり技術は、江戸時代を通じて継承され近代的技術者を生む原動力となりました。しかし、からくり技術を師から伝授されたようなことが無かったのではと思われる技術者が多くいます。しかも、残された作品や記録から判断するとこれらのからくり師の技術には共通するものが少なくはありません。

その彼らを結びつけたと思われるもの、それは「機巧図彙」という一冊の書でした。著者は細川頼直。その「機巧図彙」の内容は4種類の和時計と9種類のからく り人形とからくり玩具の構造、原理、制作方法が詳細な図解によって示されているものでした。

その制作指導の的確さはその指示どおりに作られた復元からくり人形が、見事に動いたことによっても証明されています。それにしても、どうしてこれほどからくり技術を伝えるの に熱心だったのでしょうか?

「遊びという 自由な世界は、あらん限りの創意工夫を 発揮するだけの広さを備えていること。そこで養われた創意工夫の心は、遊びの世界にのみ留まるものではないこと。約200年前、「機巧図彙」の著者、細川頼直はそう考えていたふしが見えるのです。*参考資料 河出書房新社「図説からくり」
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