5月になったので、自宅で恒例の兜を飾ってみました。鉄錆地置手拭形兜( かなさびじおきてぬぐいなりかぶと)と言われ頭に手拭を載せたような形をしているためこの名称になったようです。 この兜は黒澤明氏の名作「乱」に登場する三郎の家臣である畠山小彌太(間違っていたらご指摘ください)着用のレプリカです。映画では重要文化財クラスの本物とレプリカを使い分けていたようです。映画(DVD)をよくよく観るとわかります。 もう20年以上前の話で恐縮ですが、ご縁のある長野市に某刀剣店から安土桃山時代に作られた兜鉄錆地置手拭形兜と、私が所有する写真のレプリカ兜を並べる機会を与えていただいたことがあります。細かいことを言うと、本物は頭立(ずだて)で、私のレプリカは前立(まえだて)なのでデザインは大きく異なるのですが。 *その経緯と詳細については、説明が長くなるのでここでは割愛します。また別な機会にでも。 さて素人目には、本物と変わらないほどよくできているのですが、実際に手に取るとその差に愕然としました。重量が違うのです。本物はレプリカの約2倍近くあったと記憶しています。また兜鉢の地金、肌がまったく違いました。当時作られた鉄錆地は現代の技術では困難なのだとか。 あたりまえのことですが、やはり本物は違うのですね。
MOLEN