少し前にご紹介しました、マット・スミス作「ロコモーション」の機構部分をもとに、モノが動く時間差=タイム・ラグを発生させる仕組みについて観察してみました。 【電車音】ガタゴトン(空白)ガタゴトン(空白)・・・この休符=空白を生み出すために、マット・スミス氏は、画像上部のようにピン歯車に歯抜けの部分を作りました。歯が欠けた部分が休符にあたるというわけです。 【停車時間】少年が赤い旗を掲げると、電車はその間停車しますが、それは画像下左部分に見ることができます。円形のカムに段差を設けているのがおわかりでしょうか? 画像では、カムの下に”黒い輪”が乗っており、これは電車は運行している状態となります。もう少しするとカムの段差の上を”黒い輪”が乗り上げ、それによって画像右側の仕組み全体が左側に寄せられることになります。 左側に寄せられると、上部の円形カム自体の動きが止まりますので、それにつれて電車も停車するという仕組みになっています。仕組みの一部とはいえ、動きの要素として肝心な部分を片側に寄せるという発想はなかなかできないので、とても面白い試みだと言えます。
MOLEN