この作品は前回ご紹介しましたニール・ハーディ氏作「早起きは三文の徳」。諺(ことわざ)をモチーフとした作品です。早起きをした鳥たち(フラミンゴ)は、餌を求めてあたりを探索します。すると1羽の鳥が大好物のミミズらしき何かを発見します。 彼は賢明にその餌をついばみ、土の中から引っ張り出そうとしますが、なかなかうまく行きません。それもそのはず、実はミミズか虫に見えたのは、土の中に隠れていたトラの尾だったからです。トラは自らの尾を鳥の餌に見立てて、彼らをおびき寄せていたようです。 はて、この作品の題名をもう一度、思い出してみると、たしか「早起きは三文の徳」とされていたはずですが、、、そうなのです、実は早起きをして利益を得るのはトラだったというお話しなのですが、作者は、この本題とは別に「虎の尾を踏む」という諺(ことわざ)を伏線に持ってきています。 二つの諺をうまく組み合わせて、作品に深い背景を作り上げた点で、この作品はとても優れていると個人的に思うのですが...皆さまはどう感じられたでしょう。
MOLEN