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執筆者の写真Hal Furuta

季節労働者が渡る幣舞橋(ぬさまいばし)

更新日:2020年10月9日


2018年12月4日(火)午後4時。釧路市立美術館で来年の春に迫った英国自動人形展の打合せを学芸員さんと終えて表に出るとまだ5時前だと言うのに辺りは深く暗い。まちがって真夜中に彷徨い出たような心細い気持ちになった。 美術館から宿までは徒歩でおよそ15分歩くことに。

街はご覧のように深い霧に覆われ幻想的な景色を見せていた。


展覧会の仕事は、その直前・直後だけではない。1年~2年前からのプレゼンによって始まる。 その春夏秋冬のいずれかのシーズンごとに行われる展覧会の仕事は、季節性や地域性が色濃く反映されることが多い。


重労働ではあるが、その仕事がなければ、小社も我が身もそれでお終いとなる。 こうしたリスクを背負い続ける我が仕事は、その性質上、季節労働者ととても似ていると感じることがままある。 異なる点を無理に探せば、ポール・スプーナーの世界にかかわることができる仕事であり、そこに自分が納得して参加しているということだろうか。 さて夕食に宿至近にあった炉端店でニシンの干物をいただいた。 この店では、客みずからがトングを使って北海道の”素材”を焼いて食すのだが、地元で獲れた肉厚のニシンの香ばしい煙が食欲を誘う。



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