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執筆者の写真Hal Furuta

「透明人間(扱い)」と名付けられた作品について

「The Invisible Tailor / 見えない仕立て屋」と名付けられた1996年の作品。 *MOLENコレクションではありません。


この作品はハンドルを回すと「あーら不思議、勝手にミシンが動き出します」とキャプションに書かれていたとかいないとか。 「Mrs.ハリス パリに行く」という映画が2022年に公開されました。 主人公はロンドンで家政婦として働く戦争未亡人。映画の内容はここでは詳しくは語りませんが、当時の家政婦さんの家事仕事は「透明人間として扱われることがあった」と主人公の台詞からわかります。 これは、ドラマ・ダウントンアビーにも同じようなことが現わされています。現代は違うはずですが、当時はスタッフ(使用人、召使、家政婦等)は雇い主とは極力、顔を合わせないような仕組み(しきたり)が存在したようです。 例えば屋敷の中では、スタッフ専用の階段や廊下があったのです。 だからなのか「いつのまにか仕立てができている。洗濯が終わっている。食事の支度ができている」。彼らの仕事は、いわば透明人間の仕業扱い...とされたようなのです。 中世以降の階級を強く意識したイギリス社会ならではのエピソードです。 優れた作品には必ず”物語”があります。 MOLEN


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