歯車やカムに加えて”糸”をつかった仕組みをポール・スプーナーは多用しています。 この「スイス・アーミナイフ」もその中のひとつ。ナイフにアヌビスが隠れている様子を描きました。
その仕組みはわかりやすく”糸”を効果的に使い「引っ張る」と「離す」を繰り返す単純なものです。もちろん構造は簡単ではありますが、これだけの素晴らしい造形を伴うから楽しむことができるというわけです。
次にやはり”糸”が「動く機能」として重要な役目を担っている作品をご紹介します。
2頭のキツネが足をテクテク動かしながら進む様子を表現しているのですが、やがて彼らは歩みを止めます。 次に前を行くキツネがゆっくりと後ろを振り返ると、それにつられるように後ろのキツネも後ろを振り返るという仕組みです。 キツネたちの動作を見ると、大きくは次の二つに集約されます。足を前後に、首を後ろに向け戻します。 一見、単純そうにみえるのですが実際にはかなり複雑な構造で、再現するにはピン歯車の組み合わせとそこに絡む”糸”の役わりへの理解が不可欠になりそうです。 基本は先のアーミーナイフでも紹介した「引っ張る」と「離す」の繰り返しがポイント。
MOLEN
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