よく見るとそれは方眼紙とは異なり、マス目のひとつひとつにさまざまな人間や動物、植物に道具あるいは何か記号のようなものがビッシリと書かれていた。
彼はこのように頭に浮かんだアイデアをこの方眼に、一つひとつに丁寧に書き込んでいくことを続けている。
その中のアイデアのうち幾つかが熟成(?)したら、今度はその1つのアイデアを取り出して、スケッチブックに詳細を書き込む作業に移行する。
側からは簡単なスケッチにしか見えないのだが、彼はそれだけあれば十分らしい。
その後、いきなり制作に入る。木を切り出す。穴を開ける、歯車を組み込む...といった塩梅だ。猛スピードで作品を作る。それは見ていて気持ちが良くなるほどだ。
さて、ここにご紹介する作品のフィルムも随分と前にいただいたというよりは預かっている状態と言った方が正確なのだが、少しだけご披露しようと思う。
作品タイトルはFetilization(受胎とか受精と言ったような意味だと思う)。
本来はもっと長いフィルムなのだが、全体像をお見せするわけにはいかない理由がある。今はこれで我慢していただきたい。
©︎Paul Spooner / MOLEN
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